Case
実績紹介
【静岡県様】特別支援教育におけ...
【静岡県様】特別支援教育における「個別の指導計画」作成を生成AIで支援。現場の声を反映したアジャイル開発で教員の業務改善を実現
静岡県教育委員会様では、県立学校をはじめとする教育現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進されています。
今回は、文部科学省「生成AIの活用を通じた教育課題の解決・教育DXの加速(教育分野特化の生成AIの実証研究事業)」にも採択された、特別支援教育における「個別の指導計画」作成業務への生成AI活用プロジェクトに関して、本取り組みを推進されている特別支援教育課の加茂様、教育DX推進課の日野様にお話を伺いました。

右から:静岡県教育委員会 教育DX推進課 DX企画班 教育主査 日野 信太郎 様、特別支援教育課 指導班 加茂聡 様、Polaris.AI株式会社 COO 飛島寛人、エンジニアリングマネージャー 菊地伸一(所属、役職は取材当時のものとなります)
― 本取り組みを開始するにあたっての、ご検討の背景を教えて下さい
日野様:もともと、生成AIを活用することで校務の効率化や業務改善ができると考えており、庁内での連絡会でも生成AIを活用したいという話が出ていました。そうした中、本県が抱える課題を洗い出していく過程で、特別支援教育課から「個別の指導計画」作成に関するテーマが挙がってきたのです。
加茂様:庁内でも先進的な事業として、難易度は高いものの自分たちで進める予定でした。そのような中で、文科省の実証事業の枠組みと親和性が高いと考え、当枠組みで進めることになりました。
― パートナー選定において、Polaris.AIに依頼した理由や決め手を教えて下さい
日野様:実証事業として進める方向で検討していく中で、様々な事業者とお話をしていく際、テーマの実現可否、実証事業への採択可能性、そして自分たちの意図を汲み取る力といった観点から評価を行いました。
まずは大小問わず60社ほどにヒアリングを行い、そこから12社に絞りました。そこからヒアリングシートを作り、加茂さんに繋いでいきました。候補の中には、大手企業も複数社含まれていました。
加茂様:オンラインでミーティングを重ねていく中で話が具現化していき、進め方や新たな課題が出てきましたが、Polaris.AIさんは解像度が高く、プロジェクトを前に進めてくれていました。
ミーティングをする中で私たちの課題感を整理し、実現したい世界観を叶えるための方針を出してくれたため、信用できました。実証事業に通すことを考えると、大手企業にした方がいいのではという気持ちもありましたが、総合的に判断しPolaris.AIさんにお願いすることになりました。

インタビュー時の様子
―今回のAIプロジェクトの評価と、その理由を教えてください
加茂様:私は現場上がりなので、生成AIが教育現場に入ってくることにはきっと大きな抵抗感があるのだろうと想定していました。ただ、システムとしてしっかり仕上がってくることで、かなりの人が受け入れてくれた感があり、良い結果が出たと感じています。
これまでの特別支援学校では、子どもの実態を踏まえることが前提となりますが、学習指導要領で定められた基準の押さえが弱いケースもありました。学習指導要領で示されている学びの連続性を踏まえた指導を実現したいと思っており、国の基準性と個々の児童生徒の個別性を踏まえた教員の個別の指導計画作成について支援ができる生成AIができあがったと思っています。
日野様:DX課の視点からすると、「特別支援教育×生成AI」を今回レベルの規模で融合させたものは前例がないと思っており、これに対して1から設計・開発していただけたのは評価が高いです。
アジャイル開発を採用し、最初に出来上がったものを数日のサイクルでどんどんと改善してくれたため、スピード感をもって良いものに仕上げていただけました。
― Polaris.AIの仕事で特に満足いただけた点や、期待を超えた成果があれば教えて下さい
加茂様:特別支援学校が児童生徒一人ひとりに合わせて「個別の指導計画」を作成する過程のバランスは言語化しにくいものであり、基準性はあるものの、そのバランスは教員でなければ理解しにくいものがあると思っていました。
そんな中、担当の菊地さんが書籍を読み、何度もヒアリングをし、裏側にある教員の考えを理解した上でシステムに落とし込んでくれたため、生成AIツールの完成度が高まりました。
また、事業者として何度も学校に足を運んで現場の声を聞いてくれたおかげで、現場が喜ぶものを常に目指して進められた点も良かったです。
実証事業ゆえに、予期せぬ現場でのトラブルが起きるシーンもありましたが、丁寧にほぼすべてのバグ・トラブルを解消してくれたため、教育現場でもスムーズに導入することができました。「実証だから」割り切るということもできたはずですが、現場の声を聞きシステムの改善をし続けてくれたからこそ現場で使えるものができたのだと思います。

インタビュー時の様子
― 今後のプロジェクトの展望として、どのようなことを考えておられますか
加茂様:まずはシステムができたので、これを教育現場における業務に落とし込み、児童生徒への指導の充実へとつなげていきたいです。
特別支援学校だけでなく小中高に展開していくことも見据えたく、まずは特別支援学級から波及させたいと考えています。そのためにはガイドライン周りの整備も必要になってくるため進めていきたいです。
― 最後に、AIを活用したいと思うものの、さまざまなハードルから実行に踏み出せずにいる自治体様へアドバイスをお願いします
日野様:「自分たちが何をしたいのか」を明確に定義し、それを実現できる会社を探すことが重要になると感じます。
自分たちのやりたいことを起点に「何をしたいからこれをするんだ、それができるのはこの事業者なんだ」と調べていくことが重要になるでしょう。
加茂様:特別支援学校は個に応じる要素が強いから業務に生成AIを取り入れることは無理だろうな、などとあきらめるのではなく、粘り強く事業者とやりとりを重ねていくことが必要だと思います。最初から活用のイメージが整理され切っている必要はなく、取り組みを通して事業者と作り上げていけばいいのです。
今回の取組により、生成AIにより解決できそうな新たな課題も見つかってきました。今後も、児童生徒の成長に寄与できる取組を行っていきたいと思っています。
加茂様、日野様、貴重なお話をありがとうございました!
本取り組みで開発したアプリケーションは、SaaSとして全国の自治体・教育機関への提供を進めております。
導入をご検討の際は、トライアルのご案内も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
静岡県教育委員会様
所在地:静岡市葵区追手町9番6号
Webサイト:https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/school/kyoiku/index.html

一覧ページに戻る
一覧ページに戻る

